プロローグ
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逆さまの景色が、どんどん遠ざかって行く。 オーロラ色の冷たい毛並みの狼に、俺は突然攫われた。 ドンドンと背中を叩いても、降ろしてもらえない。 「離せっ!どこへ連れて行くつもりだ!」 「オレの故郷……トカプチという地だ。最北の地でオレと暮らそう。お前はオレが探していた相手だから」 えっ……トカプチだって? それは俺の本当の名前と同じじゃないか。
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