峠の茶屋で冷ややかに…

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峠の茶屋で冷ややかに…

今度は、秋帆と千夏が口々に呟いたんだけれど、ワタシはダンマリを決めてたかしら………。 「………ねぇ、お姉ちゃん。アタシ、喉乾いた。」 ………と秋帆。 「………アタイはお腹空いちゃった。」 ………と千夏。 アアアア~~~ッ、どいつもこいつも!でも、仕方がないわよね。此処は年長者として、大人にならないと。 「………皆、何が食べたいの?」 「アタイ、桐生うどんがいい。」と千夏。 ………そうそう。因みに、此処、桐生市って言う町は、奈良時代から絹織物が有名らしいんだけれど、他には桐生うどんと言うのもあるらしくて、ワタシは食べた事が無いので、………ワタシも食べてみようかな?………お小遣い、持って来ておいて良かったかも。 「ワタシはかき氷が欲しい!」と秋帆。 「…………………………オレも。」と冬馬。 でも、冬馬が呟いた。 「でも、姉ちゃん。この辺りにお店なんか一軒も見当たらないけど。」 その時、千夏が叫んだ。 「あんな場所に、お店があるぅぅぅ~~~!」 ワタシ達は、思わず、千夏が指差した方へと目を凝らした。其処は、峠道へと続く山道に繋がっているらしいのだけれど、その袂に一軒の茶屋が、申し訳無さそうに佇んでいるのだった。
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