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天井に男が浮いていたんだ。まるで宇宙飛行士みたいに、男がプカぁって……。
俺が「ひゃ──!」って情けない声を出したものだから、向こうも「ひゃ──!」ってなっちゃって一瞬気まずい空気が流れてさ。で、男の方から悲鳴をごまかすように俺に声を掛けてきたんだ。天井から。
「見えちゃいました?」って。幽霊が見えちゃいました? ってどうよ。どう答えたらいいのさ。俺は「はあ〜見えちゃってますね」って言ったの。すると、
「じゃ……降りますね」って、なんでそうなる? 男はバレましたか……みたいなカンジで、ふわぁっとベッドの端にちょこんと尻から着地してさ、ますます気まずそうにモジモジしてんだよ。
当たり前だが幽霊に会うのは初めてな訳で、どう接していいものやら俺は戸惑ったね。でもこいつは中々気さくそうだし映画のゾンビみたいに噛み付いて来る事もなさそうなので、俺はちょいとした好奇心に駆られたんだ。
「あのう、良かったら少しインタビューさせてもらってもいいですか?」
俺はコイツを録画して、あわよくばYouTubeにでもアゲるべく死者との対話を始める事にした。
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