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冬馬くんにいろいろ意見を聞き、最終的に白と薄紫の大きめのドット柄のスカーフを選んだ。華やかさもあるけれど、下地は紺と紫なので色合いとしては大人っぽい感じ。
「これならアクセントになるし、洋服にも合わせやすいと思うよ」
「いいかも。格好いいよ、これ」
冬馬くんに気に入ってもらえてうれしい。お母さん、喜んでくれるといいな。
それから、きれいにラッピングもしてもらい、無事に買い物ができた。
「ほっとしたあ!」
「よかったね」
「でも来年もあるんだよな」
「いまから心配してどうするの? そんなの、来年になってから悩もうよ。あっ……」
デパートのフロアを歩きながら、そんな会話をしているときだった。目の前から来る人物に、わたしは息が止まりそうになった。
「佐野先生……」
四年ぶりになる。大学二年の秋以来の再会だった。
「輝さん」
最初に声をかけてきたのは実紅さんだった。
「お久しぶりです。……佐野先生も」
「久しぶりだな、輝」
無意識に視線を移した実紅さんの左手薬指にはプラチナの結婚指輪。もちろん佐野先生の薬指にも指輪があった。
そして……。
「かわいいですね。生後何ヶ月ですか?」
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