7.いつもと違う彼のキス

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 なんだか突き放されたように思えて不安になった。悪くないと言われても、原因はわたしにあるんだよね?  しばらく、お互いになにも言葉を発しなかった。気まずい空気が流れ、どうしていいのかわからず困っていると、冬馬くんの胸ポケットから振動音が聞こえてきた。 「なんだよ、まったく……」  冬馬くんは眉間に皺を寄せながらスマホを取り出した。 「やばい、部長からだ」 「出ないの?」 「会場に俺がいないからさがしてるんだろう。いいよ、どうせ戻るから」  冬馬くんは乱暴にスマホをしまった。 「今日、何時に家に帰ってる?」 「時間ははっきりわからないけど、そんなに遅くはならないよ」 「俺、二次会には行くけど、なるべく早めに切りあげるから部屋で待ってて。十二時までには行くから」 「……うん」  どうして急にそんな約束をしてくるんだろう。いつも突然。気まぐれでふらりと訪ねてきて、次の約束もせずに帰っていくのに。  今夜会えるのはうれしいけど、不安定になっている冬馬くんに会うのは怖いよ。まさか、わたしから離れていかないよね?
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