黒い魚 アピア
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エスタは恐ろしくなった。 もしかして、貸していたものは――命? 急に言い知れぬほどの不安と後悔が体中に満ちた。 押さえられない胸騒ぎを抱き、泉を後にエスタは走り出した。 「エストに……話さなきゃ……」 いつもの帰り道が特別、長く険しい道に感じる。エスタは足を
縺
(
もつ
)
れさせ、何度も転げながら山道を進んだ。
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