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「君たちが倒したヤツらから、いくつか武器を押収したんだ。特殊塗料はもう拭ってある。三ツ谷コレクションに新たな武器が加わるな」
「何やってんだ。それは証拠品だぞ」
「わかってる。ちょっと預かるだけさ。調べてすぐに返すよ。それに……」辺りを見まわす三ツ谷。「僕はまだ立場が微妙だからね。ここは隠れて退散させてもらうよ。じゃあ」
またしても姿を消し、三ツ谷は離れていく。最後に「君たちには感謝してるよ。ありがとう」
「お、おい、三ツ谷、待て」
キョロキョロとする鷹西。
「もう、困った人だなぁ……」
夏美も苦笑しながら探すが、見つからない。
そうやって2人が彷徨わせた視線の先に、今度は恐ろしい男が現れた。
「や、やばい。班長だ。俺も退散するよ」
後退る鷹西。
「あ、どこへ行くんですか?」
夏美も見つからないように、なるべくそうっと動く。
「とりあえず、本牧だ。気障男に報告に行かなきゃ。約束だからな」
鷹西は言い終えると走り出した。
「待ってください。私も行きます」
慌てて後に続く夏美。
「おい、おまえらっ!」
背後から徳田の怒鳴り声が聞こえてきて、更にスピードを上げる2人。
「俺は走るのも自信があるからな。ついてこられるかな?」
鷹西がチラッと視線をよこす。
「ついてこられるかって、こっちのセリフですよ? 私、負けません」
夏美が言い返しながら、ふふっ、と笑う。
競い合うように、2人は走り続けた。
Fin
☆ ☆ ☆
この後、鷹西がとある事件で警察を辞めることになるまで、2人はたびたびコンビを組み、難事件を解決した。
そして2年後「Jail Breaker」騒動が勃発し、巻き込まれていく……。
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