LAST SCENE

3/3
前へ
/221ページ
次へ
 「君たちが倒したヤツらから、いくつか武器を押収したんだ。特殊塗料はもう拭ってある。三ツ谷コレクションに新たな武器が加わるな」  「何やってんだ。それは証拠品だぞ」  「わかってる。ちょっと預かるだけさ。調べてすぐに返すよ。それに……」辺りを見まわす三ツ谷。「僕はまだ立場が微妙だからね。ここは隠れて退散させてもらうよ。じゃあ」  またしても姿を消し、三ツ谷は離れていく。最後に「君たちには感謝してるよ。ありがとう」  「お、おい、三ツ谷、待て」  キョロキョロとする鷹西。  「もう、困った人だなぁ……」  夏美も苦笑しながら探すが、見つからない。  そうやって2人が彷徨わせた視線の先に、今度は恐ろしい男が現れた。  「や、やばい。班長だ。俺も退散するよ」  後退る鷹西。  「あ、どこへ行くんですか?」  夏美も見つからないように、なるべくそうっと動く。  「とりあえず、本牧だ。気障男に報告に行かなきゃ。約束だからな」  鷹西は言い終えると走り出した。  「待ってください。私も行きます」  慌てて後に続く夏美。  「おい、おまえらっ!」  背後から徳田の怒鳴り声が聞こえてきて、更にスピードを上げる2人。  「俺は走るのも自信があるからな。ついてこられるかな?」  鷹西がチラッと視線をよこす。  「ついてこられるかって、こっちのセリフですよ? 私、負けません」  夏美が言い返しながら、ふふっ、と笑う。  競い合うように、2人は走り続けた。                                                                    Fin   ☆   ☆   ☆  この後、鷹西がとある事件で警察を辞めることになるまで、2人はたびたびコンビを組み、難事件を解決した。  そして2年後「Jail Breaker」騒動が勃発し、巻き込まれていく……。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

330人が本棚に入れています
本棚に追加