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SCENE 2 本牧ふ頭――倉庫街③
あ、あわわっ……。
気障男は腰を抜かしたまま、動けない。
しばらく座り込んでいた。
俺も、殺されるのか?
だが、いつまで経っても何も起こらない。誰も自分に近づいては来なかった。
もう一度様子を探る。
いない……。
そこには、2台の車が乗り捨てられ、無惨な死体が8つ転がっているだけだ。
あの、透明人間はいない。
呆然とただ座り込む気障男。
おそらく銃声を聞いたのだろう。複数の人間がやってきた。そして、その光景を見て慌て出す。
「な、なんだこれは? 何があった?」
「け、警察をっ!」
湾港関係者だろうか。彼らの声を聞きながら、気障男はカップ酒を飲み干した。
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