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SCENE 6 神奈川県警 刑事部 科学捜査研究所
この事件は……。
モニターに映るニュース画像を見ながら、三ツ谷徹は溜息をついた。
昨夜本牧ふ頭で発生した大量殺人事件だ。被害者は、極東エージェンシーの社員達。
マスコミにはだいぶ伏せられた部分が多いはずだ。このニュースだけでは、満足できるほどの情報は得られない。
同じ警察官といえども、捜査本部に所属していない者に概要や捜査状況は伝わってこない。三ツ谷が持てる技能とネットワークを駆使すれば探ることはできるが、それは、多少……いや、かなり警察官としての規律、規程を逸脱することになる。
モニターを切り替え、先日送られてきたメールを呼び出した。
『3年前の制裁を開始する』
それだけが記されていた。送り主は厳重にガードされており、辿れなくなっている。
だが、三ツ谷にはわかる。
これは、あの人だ――。
3年前、あの事件に多少なりとも関わった三ツ谷。当時同じように警察官として関わっていた数名に確認してみた。
やはり、みんなの元にも、同じメールが届いているという。
あの人が、戻ってきた。そして……。
またニュース画像に変える。
殺害された者達のリーダーは原木。極東エージェンシーの特殊業務に就く男。
始めてしまったんだ。ついに、あの人が……。
焦燥感――。立ち上がると同時にモニターを閉じる。
ドアを開け、専用スペースを出て、所長を探した。
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