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引っ越し業者の方にお礼を言い、彼らを見送った後空を見上げ誓った。
「おーい、業者さんは帰ったか?」
母屋から聞こえる父の声は大きい。
田舎ではどこもかしこも無駄に広いのでなかなか声が届かない。
自然と地声が大きくなる。
「はーい」
私も腹の底に力を込めた。
「よーし。ご近所に挨拶に行くぞ」
父はポロシャツにチノパン、私はブラウスにスカートと若干、地味とも思える服に着替えて東京から持ち帰ったお菓子を持って車の助手席に乗り込んだ。
「まずは、このお宅から。
ここは集落長の上山さん。
この集落の長って感じかな。
冠婚葬祭などの行事の取り仕切りをする方」
そう言って父は車をおり、インターフォンを押した。
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