六.

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まず、敵はタカト・グライアンツが王都に出向いたと思い込んでいる。 そこで、「実はタカトは王都に向かっておらず、密かに同志を集めて逆臣一同の抹殺を企んでいる。ある日、ある時刻に、その一味は作戦会議のため集結しようとしている」ということを敵に知らせ、その場所に押し寄せてくるよう誘導する。その隙に、大叔父たちを奪い返そうという算段だ。 「……でも、確実に乗ってくる保証が、ないと思います」 「そこなのですが、確実にスパイを送って様子見してくるでしょう」とオディーナが言う。 「——だから全員が動くんです。ここにいるタカトさん、ダンさん、カインさん、ポポさん、アレクさん、そして他の四人が一斉にご自宅から姿を消せば、スパイの人も密会を信じるはずです。そうしたらもう、全員をまとめて始末できる絶好の機会、みすみす逃しはしないでしょう。どう思いますか、皆さん」
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