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「ああああああああ!燃えてる!髪の毛が私の髪が!」
キラキラの髪飾りは光を吸収して爆発した。
しっかり作ったはずなのに、また爆発してしまった。
何がいけなかったんだろうと考える。
生成するのは簡単だ、百均の適当な金属とアルミホイルでパチンと指を鳴らせばできる。
その後に、念を込めながら色を付ける。
その際負の感情をこめると爆発物になってしまうらしい。
てことは、私また嫌な感情を無意識に込めてしまったみたいです。反省反省。でもちゃんと綺麗な形になってるってことは優しい気持ちはちゃんとあったってことだよね。そう思わないと気が休まらないです。
ごめんなさい師匠、あなたから貰った力をこんな変なことに使ってしまって。
「いやー!こっち来ないで!」
……あの子は、昨日私に無理やり掃除を頼んで彼氏とデートをしたこだ。そして勝手に私の試作品の香水を使った子。
すごい顔の男に追われてるけどどうしたんだろう。
「ちょっとあんた!彼氏に何したの!?」
……何したっていわれても。香水を勝手に使ったのは貴方ですし。
その香水は負の感情を込めてしまった魔道具。つけた人の愛し合ってる人が匂いを嗅ぐと化け物に変化するという恐ろしいものだ。
「ちょっと!何とかしてよ!後でなんでもするから!」
私に都合のいいことだけを頼んで……
まったく駄目ですね、でもまぁ男の人は完全に被害者ですし、何でもしてくれるらしいので。
「これは、貴方がしたことだ。責任は貴方が取るべきだ」
「ううっ!でも!私じゃ彼を助けられ……」
「なくないです。貴方なんでもするって言いましたね。なら私に付き合ってください」
「本当!助けてくれるのね!」
「ええ、彼氏に罪はありませんからね。これからすること少々キツイ事なのですがやってくれますね?」
「もちろんよ!何をすればいいの!?」
それを聞いて、安心しました。
この方法は私では到底出来ないので。
私はカバンからキャンディを取り出して彼女に近寄った。
「何をするのよ!? ちょっと近寄らないで!」
「ごめんなさい。けれどなんでもするって言ったのは貴方です。彼氏助けたくないんですか?」
「っ!!!」
包み紙からキャンディを出して無理やり女の口に入れる。そしてそのまま化け物になりかけた彼氏の唇に女の唇を押し付けた。
するとその衝撃でキャンディは男の口に入り
その舌の上でとけ、男は元の姿へと戻っていった。
「良かった良かった戻ったみたいですよ」
「良くないわよ!あんな化け物とキスさせて!しかも舌をねじ込まれたわ!」
「……誰が化け物だって?」
「えっ!?ええええええっ!?何で!?嘘もどってる!?」
「戻ったって言ったじゃないですか、王子様はお姫様のキスによって化け物から人間へと変わりました。いいですねこれこそ愛の力……けれど」
「おい、お前の香水のせいでこうなったんだぞ!?なのに化け物だって!?ふざけんな!てめーの面の方がバケモンじゃねーか!」
「ふざけるのも大概にして!あんたとなんてもう別れるわ!ブッサイクの魔物になっちゃって!あんたとキスした時変な匂いしたし!」
元に戻ったのは彼氏の格好だけで彼女たちの愛は戻りませんでした。ちゃんちゃん。
……急にファンタジーな感じになって驚いてしまったでしょうか。
でもこれが私の日常、私の物語なのです。
すべてはあの日私が師匠からもらった力から始まりました。
5年前の7月の夏、普通の少女は世界を救う使命を得た。
あの悲しい別れから数年私はこんなポンコツ魔法使いになってしまいました。これじゃ師匠に顔が合わせれません。
……にしても今日は私に関わった人がどんどん魔法の効果を受けて面白いことになっている気がします。これはまだまだ何かが起こる予感!さぁ、なんでも来ちゃってください!
ズドン!!
何かが壊れる音がした、黒い煙がみえてくる。
なんでも来いと言ったけど、本当に来るとは……しかもヤバそうな気配が漂っています。
この方向は高等部の方面、れっくん大丈夫かな巻き込まれてないといいけど……
一難去ってまた一難、問題を解決するために私は思いっきり走ります。バビューン
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