12人が本棚に入れています
本棚に追加
/286ページ
「……なにこれ凄すぎじゃない?」
豪華なホテルに、美しいビーチ。美味しそうなご飯!
「おーっほほ!最高級リゾートですもの!さぁ今日から1週間三条橋家親族しかここを利用しないのでほぼ貸切状態ですので思いっきり楽しみなさいな!」
「いえーーーい!」
みんなホテルにいっせいに走り出した。
ホテルにチェックインをして、急いで荷物を置いた。
そして水着バックと財布をもち海にまっしぐら。
「着替えはそちらの更衣室で、もちろん覗きは厳禁ですわよ。そこら辺のガードマンに半殺しにされますわ」
更衣室の前にはガードマンが大勢いた。
更衣室の中にも同じ性別の黒服がいた。
厳重体制、流石最高級リゾート。
「早く行くわよ、紗香!」
「ごめん待って……って日菜ちゃんビキニなの!?」
青色の胸のところが金色のリング留めてあるビキニ。なんかエッチだ。
とても直視できないよ。
「……うん?あぁこれイケてるでしょ?」
「過激過ぎない!?なんか眩しすぎるよ!」
手で顔隠しながら指の隙間を作ってちらちら見る。
「あのねぇ、これくらいどうってことないわよ。あんたくらいよTシャツと短パンみたいな水着は」
じろじろと私を見ながら、残念そうに日菜ちゃんは言う。
「かっ可愛いよこれだって!」
「そうだね!めちゃかわだよ!」
「……未来ちゃん!?」
私が驚いたのは、少し危ない雰囲気を漂わせながら言った言葉ではなく、彼女の姿にだった。
ピンク色のビキニ。胸の水着にはフリルがあしらわれ、パンツの種類は紐パンだ。
中学生、こんなの着ていいの!?
「……2人ともなんでそんなエッチな格好をして」
「何言ってんの普通の水着だよ。紗香ちゃんが照れやなだけ」
「そうよ、これくらい別にいいじゃない早く泳ぎに行くわよ」
3人で更衣室を同時に出る。
そうしたら、押し寄せる人の波。
「美しすぎ!僕らと一緒に泳がない!?」
「中南さんちょっといいかな!?」
「未来ちゃん!俺と遊ぼう!」
男子に取り囲まれました。クラスのやつらからほかの客まで。
どうせ目当ては友達二人、くそう邪魔すぎる。鼻の下伸ばしちゃってもう。
にこやかに神対応をする2人。
置いてきぼりにされる私。
ここにいるのは腹が立つのでこっそり抜け出すことにした。
囲まれてる2人に背を向けこっそり走り出す。
ごめんね2人後で必ず会おう!
「まったく、酷い目に……」
波打ち際を1人でポツポツ歩く。
ザザーんザザーんと波の音が心地いい。
私が歩いてきたところには人があまりいなかった。
これなら落ち着いて海を楽しめそうね。
砂浜には誰も寝てないビーチチェアとそれの隣にパラソルとテーブルが置いてある。
それを眺めながら歩いていたら、一つだけ人が座っているやつが見えた。
「誰か寝てる。同じクラスかな?」
誰か気になってすこし近づいてみた。
……こんな人同じクラスにいたかな?
それにしても、なんか見覚えのある気がする。少ししか近づいてないので顔は見えなかった。だからもっと近づくことにした。
顔が確認出来る範囲まで行くと、向こうもこちらに気づいた。
サングラスをかけていて、黒のTシャツそしてベージュの七分丈パンツを履いている赤毛の男の人。その人はサングラスを外してこっちに陽気に話しかける
「よぉ、紗香楽しんでるか?」
「れっくん!なんでここに?」
「クラスメートの三条橋綾乃がクラス全員招待たんだよ、お前んとこは妹の招待か?」
あぁ、通りで人が多いわけです。
私たちのクラスは40人それに彼女の親族を合わせてもこんなに多くあるはずがありません。そういえば彼女お姉ちゃんがいると言っていたような……。
姉妹揃って凄い考えをするんだなぁ。
「そうそう、れっくんも来るんなら教えてくれてもいいのに」
「まさか同じ場所だとは思わなかったんだよ、普通こんな大型リゾート持ってるなんて思わねぇだろ」
「そうだねぇ……でもこんなに大勢呼んじゃってさ色々大変だったんだよ!ビーチに出たら友達二人が男子に囲まれちゃってさぁ!やばくなったから1人逃げてきたの!」
隣のビーチチェアに腰を下ろし、そのまま寝転がる。
「あはは、お前も大変だなぁ」
「そういうれっくんは?なんで1人なの?」
「だいたいお前と同じ感じ、バカイトが女ナンパしてたら色んな女が次から次へと来るからよぉ、ごめんこの子達相手しないと行けないかられっくんバイバイって言いやがったあいつ」
「何してんですかあの人。それでれっくん1人なんだね、そういえば水着は?」
「この下、どうせこうなるだろうって思ったからよ。ビーチに水着で来て泳がないってのもなんかあれだろ?」
「確かに。でも遊び相手である私が来た事だし脱いで遊ぼ!それに暑いよそれ着てたら」
「……それもそうか」
そういってぽいぽいと脱ぎ始めた。
水着着てるからってレディの前で脱ぎ始めるとは……。れっくん恥ずかしくないのかな。
「よし、じゃあ行くか」
「……れれれれっくん!?ななな何それ!私聞いてない!」
腹筋が割れていて、よく理想の体型として見るような身体。
そんな体を幼なじみから見せられるなんて
いつも服を着ているし、しばらく一緒にプールや海に行かなかったから……。
「あのー烈斗さんパーカーとか無いんですか?あのとても目に悪いって言うかキラキラしすぎっていうか」
「ねえよ、つかそんなの着てたら泳いだ時濡れて気持ち悪いだろうが。ほれ行くぞ」
「ままま待ってよ!置いてかないで!」
「……たっく、これくらいで騒ぎすぎなんだよ。意識しすぎだろ、あいつの友達にも同じような態度とったな」
自分は露出度低めの水着を着て、他人の露出を見て照れる紗香。
こいつ、友達んとこ戻したら、鼻血でも出して出血死すんじゃねえか?
最初のコメントを投稿しよう!