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「ママ~ご飯、あと集金袋にお金入れて」 「おせえぞ、紗香あっおばさんお茶おかわり」 ……なんでいるの? 私が座るはずの椅子に座っているのは。 夢の中で言われた要注意人物。 なんで他人の家でご飯食べてるんですか。 そして人のお母さんを自分のお母さんと同じように使って。 「はーい、2人とも。さやちゃんお父さんのとこ座ってね~」 「……れっくんいや、葛城烈斗なんで私の家でご飯食べてるの?しかも私の椅子で」 「あぁん?人がせっかく迎えに来てやったのになんて態度だよお前。飯はお前ん家に来るから食ってこなかった、お前ん家の飯うまいから」 ……滅茶苦茶な理由でした。 まぁ家のご飯を褒められるは悪い気分じゃありませんが。なぜ迎えに来る気になったのでしょう?いつもはこんなことしないのに。 「珍しいね、なんで迎えに?」 「いや、朝っぱらから悪いもんにあったらお前学校そっちのけで戦うだろ、だから無理しないように監視させてもらう」 ……なんだか訳が分からなくなりました。 昔は優しくて面白い楽しい人で最近は意地悪で時たま優しい少女漫画の不良みたいな人で今はちょっと丸々くん何してるの!私がいないとほんとだめねって言ってくる幼馴染の委員長女子みたいになっています。 「はーい、お茶のおかわり。さやちゃんには集金袋」 「おばさん、ありがとう。めっちゃ美味かったです」 グッと親指をあげるれっくん、お母さんもそれをみてグッと指をあげる。 なんか家にものすごく馴染んでるし。 大切に思ってくれるのは嬉しいけどなんだかむずがゆいような、照れくさいような。 運動会でがんばるお父さんをみる子供のような気分です。 「よし行くぞ、しっかり掴まってろよ」 「おっけーだよ、出発進行!」 くたびれたバイクで走り出す、あっ盗んでませんよ。れっくんのお父さんのお下がりです。歩いている同級生をスイスイ抜かして気持ちがいい。歩け歩け遅刻するなよー。 「そういや、魔法ってどうやって出すんだ?」 「それはね、イメージするんだよ。イメージしながら自分がしたいことをする。呪文とかもあるけどそれは昔から使われてきた強力な魔法を使う時にしか使わないかな」 「ほーん」 「というか、れっくんって魔力あるの?私はこの力を師匠から受け継いだけど。れっくんって一般人だよねでも昨日は素手で魔物を殴ってたし」 「殴れたんだあるって事だろ。そういや結構前にちょっとしか殴ってないのにめっちゃぶっ飛んでった奴がいたなぁ」 「何してるの!?魔法を無意識で人に使ってるんじゃん!」 この人無自覚じゃん。それに、無自覚でそんな威力あるなら結構強いのかも。 師匠に夢の中であってもらいたいなぁ。 「知らねえんだから仕方ねえだろ。そいつも、全治2ヶ月くらいのケガだったし大丈夫大丈夫」 「ははは、れっくんそれは大丈夫じゃないよ」
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