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「本当ですか!?」
昼食の席に柚希の驚いた声が響いた。
「ほんとよぉ!今日の午後は柚希ちゃんが零王のこと独り占め出来るのよぉ!」
狂華が大きな声で嬉しそうに言うと、柚希は耳を真っ赤にさせた。
「あ、あまり大きな声で言わないでください…。」
「あら、どうして?」
狂華が不思議そうに聞くと、柚希は俯いた。
「は、恥ずかしいです…。」
その返答に狂華も組員も少しぽかんとしてしまった。柚希がさらに耳を赤くする。
「か、可愛いぃ!」
狂華が思い切り柚希に抱きついた。
「ぐぇっ」
「もうぅーー!そんなこと思ってたのぉ?もう柚希ちゃんたら可愛いんだから!むしろもっと零王は自分のものよ!ってアピールしてもいいと思うわぁ!」
狂華がさらに柚希を強く抱く。柚希の顔の表情が失われていく。
『狂華さん!柚希さん死んじゃいます!』
『離してあげてください!』
「あら!」
組員達に言われてやっと気づいた狂華は慌てて柚希を離す。
「ごめんなさいねぇ!」
「だ、大丈夫です…。」
柚希はすこしむせる。その背中を狂華が撫でた。
「ま、とにかく!今日は楽しんじゃいなさい!?」
「…ありがとうございます!」
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