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慧悟と奏多、そして零王が部屋に入ると、律紀は部屋の中心で胡座をかいて座っていた。扉が閉まると、律紀がゆっくりと閉じていた目を開いた。零王が1歩踏み出し、律紀と目を合わせる。
「何故柚希を外した?」
「今回私と会ったことで、柚希の記憶は全て戻ると思っていましたが、先程少し話した時に完璧に戻っているわけではないと判断したからです。」
律紀は零王から目線を外し、下を向いて悲しそうに笑った。
「先程、柚希の父親、雨宮帯人の名前を出しましたが、覚えていないようだったのです。」
「お前と柚希はどーゆう関係なんだ?」
慧悟が律紀に尋ねる。
「お話します。まずは私についてと柚希の関係についてお聞きください。」
そう言うと律紀は静かに深呼吸して話し出した。
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