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「朔也…」
「自己紹介もせず、ごめんなさいね。私の名前は衣澄朔也(いすみ さくや)で、こっちが紀伊馬祥吾(きいましょうご)です。貴方にいくつか質問してもよろしいですか?」
朔也は少し長めの銀色の髪を下でゆるく縛っている。眼鏡をかけ、知的な雰囲気を醸し出している。
祥吾は赤髪に黒のメッシュが入っていて、筋肉質な体型をしている。
「は、はい…」
頷くのを見てから、朔也が話し出す。
「まず初めに貴方の名前を聞いてもいいですか?」
「あ、僕は雨宮柚希(あまみやゆき)です。」
「柚希ですね。柚希、貴方はどうしてここに居るのか、覚えていますか?」
なんでここに居るのか…?
考えようとした途端、さっきまで見ていた夢が思い出される。
無数の影。
嗤う声。
「……はぁっ……はぁっ……」
頭を鈍器で殴られたかのように痛い。だんだんと呼吸が浅くなる。
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