接触

12/15
前へ
/118ページ
次へ
柚希の目から涙が溢れる。 「……好き。好きです、零王さん。離れたくない。そばにいて欲しいです…。でもこのままじゃ零王さんに迷惑かけちゃ、う…」 柚希が詰まりながら吐き出すように言う。 「どうなるかは分からない。だが、お前の気持ちが分かってよかった。」 零王がもう一度柚希を抱きしめた。 柚希も零王を抱きしめかえす。 しばらくその場で抱きしめ合うと、2人は離れた。 「俺は祥悟と蓮のところに行く。お前も来るか?」 その言葉に柚希は首を横に振った。 「律紀はどこにいますか?」 「屋敷の奥、廊下の突き当たりの部屋だ。お前と律紀と言ったか…2人が対峙しているときに撃った睡眠作用のある薬は1時間ほどで効果が切れる。」 「分かりました。ありがとうございます。」 そう言って立ち去ろうとした時、零王が柚希の腕をつかんだ。 「柚希。律紀の尋問を任せてもいいか?」 柚希は薄く笑う。 「いいですよ。ただ、誰かしら幹部をつけて欲しいです。」 「分かった。目覚めたら連絡してくれ。」 「分かりました。」
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

360人が本棚に入れています
本棚に追加