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柚希の目から涙が溢れる。
「……好き。好きです、零王さん。離れたくない。そばにいて欲しいです…。でもこのままじゃ零王さんに迷惑かけちゃ、う…」
柚希が詰まりながら吐き出すように言う。
「どうなるかは分からない。だが、お前の気持ちが分かってよかった。」
零王がもう一度柚希を抱きしめた。
柚希も零王を抱きしめかえす。
しばらくその場で抱きしめ合うと、2人は離れた。
「俺は祥悟と蓮のところに行く。お前も来るか?」
その言葉に柚希は首を横に振った。
「律紀はどこにいますか?」
「屋敷の奥、廊下の突き当たりの部屋だ。お前と律紀と言ったか…2人が対峙しているときに撃った睡眠作用のある薬は1時間ほどで効果が切れる。」
「分かりました。ありがとうございます。」
そう言って立ち去ろうとした時、零王が柚希の腕をつかんだ。
「柚希。律紀の尋問を任せてもいいか?」
柚希は薄く笑う。
「いいですよ。ただ、誰かしら幹部をつけて欲しいです。」
「分かった。目覚めたら連絡してくれ。」
「分かりました。」
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