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祖父が死んだ。
祖父は、死期を悟ったと知った。
突然の出来事であった。
ただケーキを秘密で買っただけなのに。
祖母は言った。
『あの人は、もうあの日からおかしくなってしまったのよ。』と。
あの日とは何なのか。
私は気になって聞いた。
『それはね、じいさまの若い心を奪って棄てた獣のことだよ。』
獣、それを祖母は嫌い、憎み、怒って、いるのだと私は知った。
これが小学校六年生の頃の出来事であった。
その日はちょうど誕生日から1日経っていた。
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