エドモンド・スノーの苦労の日々

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 対して、全身赤く染まりながら赤って何とぼやいている相手は、こげ茶の髪にひと房だけ左前髪が赤色に染められ、眉は凛々しく、目元も男らしく力強い一重。  えらくハンサムな男は、知る人ぞ知る変人で有名だ。  好きなことは一に解剖、二に解剖、三に青年、四に解剖、五に解剖らしい。  初めましての時にそんな宣言を聞き、遺体(性別男)の解剖前に股間を覗いてその大きさや形を確認し、すーんっと鼻で息を吸うところを見たエドモンドとしては、下手に狙われないように余計なことを言わないに限ると、言われたことだけ反応し動いていた。  ニンと口端を上げて、本日も作詞作曲しながら患者を切り(きざ)、いや治療していく。 「骸、骸、む〜く〜ろ〜。骸はどこにぃ〜。さあさあ、こっちの寝床はあ〜まいぞ。早くは〜やくおいでぇ〜」  麻酔で眠らせてあるとはいえ、生者の前で縁起でもない歌を歌い、ちろりとエドモンドを見据えながらふふっと妖しく笑う。 「ねえ、エドモンド。まだ新しい遺体はこないのかい?」 「そうそうあっても困ります。むしろ、遺体ではなく患者の治療をお願いします」 「やってるよ。今日でいくつめだと思ってるの?  頑張ってるのだから、ご褒美が欲しいよ。代わり映えしないと手元狂うかもしれないし。出会いがなくって最近退屈すぎる。 ああ、早くときめきたい。トキメキ、トキメキ」
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