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まだ迷うようにブツブツと患者に向かって遺体になぁれとばかりに、時間を伸ばそうとするサイラスは、誰が何を思おうと、ついでに自分がどう見られようと関係ないらしい。
「あぁあ。最近、つまらないなぁ。一度解剖から離れて選択肢三にすべきかな。うん。そうしようか」
「…………」
あれだけ楽しそうにいじくりまわしておいて、つまらないはないだろうと思いながらエドモンドはいつものように黙る。
すると、ちろりんとサイラスがエドモンドを見据え、その瞳を楽しそうに煌めかせた。
「おや。何って聞かないの?」
「聞いてもわからないかと思いまして」
「いやいや、わかるでしょ。好きなものと言えば、ってね。最近ご無沙汰でそろそろ、ね」
そこでニマっとエドモンドを見つめる。ね、じゃないし、それにこっちには関係ない。
そう言いきれたらいいが、いかんせんまだ彼の本気度と距離を測りかねている。
安心したいのだが、ここ最近のサイラスが自分を見る目がどうもいけないと感じるのは気のせいか。
「よし、決めた!! これが終わったら、一緒に出かけようか」
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