エドモンド・スノーの苦労の日々

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 出かけるかどうかは別として、早く終わらせてあげて欲しい。 エドモンドのところから、本能的に危険を察してか麻酔が効いているはずの手がピクピクと動いているのが見える。 「いつ終わるんですか?」 「エドモンドが一緒に行動してくれるなら、すぐにでも」 「仕事、としてならもちろんご一緒しますよ」  患者を不憫に思い早く終わらせてあげようと了承する。仕事、というのは抜け目なく強調しておいた。 「んー、じゃ、仕事ってことでこのあと外に行こう。あと、食事も一緒にするとこまで命令だからそのまま直帰の連絡しときなよ」 「わかりました。ところで、サイラスはこの部屋から出ることできるんですか?」  三度の飯より解剖が好き。常に何かしらしていないと落ち着かないらしい相手は、出会ってからずっとここで血まみれになっている姿しか見たことがないので意外だ。  好き好んでこもってる。好きすぎて遺体を待つ。 しかも、周囲もこもって欲しいと思っている。こんな変態が野に放たれたら気が気でないだろう。 だから、相互理解と平和のため勝手にこもりきっていると思っていた。 「それどういう意味かな。どれだけ解剖が好きでも食事は別にするよ。毎日一度は家に帰ってるしね」
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