エドモンド・スノーの苦労の日々

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 そこでサイラスは、手を真っ赤に染めながらぷすっと唇を尖らせて、恨めしそうにエドモンドを見る。   何の研究なのか。 しかも、その血まみれの白衣はエドモンドを誘惑するためのものと言われてるようで、変態の思考はよくわからないと苦笑でその眼差しとともに(かわ)す。  興奮や欲望をちらつかせる相手にこれ以上は聞かない方がいいと黙ったのに、相手が勝手に話し出す。 「ね、君が運んできた遺体は素晴らしかった。 今度は一緒に並んでみるかい? うん。それがいいね。そうしよう。 素敵な組み合わせだと思うよ。だから、今度見つけたらすぐ持ってきて」 「……だから、そうそうあっては困ります。あと、並びません」  台の上に寝かされたら最後、何されるかたまったものではない。貞操の危機どころか命の危険も感じる。 なんだ、その危険性。普通に会話して殺気を向けられてるわけでもなく、緊張感ある警備時よりここにいることが一番危うい。  サンプル増えるためには同族が犠牲になっていることをどうも思わないような言い草だが、彼は研究者、医者なのだ。 自分と視点が違うことは理解している。  まだ数えるほどだが、エドモンドが発見し運び込んだ上半身だけが綺麗に焼けている変死体は他にもみつかっている。それらがサイラスの探究心と言う名の原因追求は一族に貢献できる。対策を打てたら犠牲者が減る。  それだけの頭脳と技術を彼は持っている。それはエドモンドも認めている。ただの変人、変態ではないからこうして仕事ではあるが彼のそばにいるのだ。だが、それとこれとあれとは……違う。
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