30人が本棚に入れています
本棚に追加
☆以下、ネタバレを含む解説☆
ネタバレOKな方は下へスクロール。
■“オヴェリアの英雄”に憧れて■
【xxクロスオーバー(仮)】の話中でも語られましたが、“イリエ衆”の海賊は“オヴェリアの英雄”であるヒロに従わない海賊一派の一つ。
商船のみならず漁船も構わずに襲う悪行を繰り返しているものの、その理由は『“オヴェリアの英雄”であるヒロに構ってもらいたいから』というものでした。
悪さをすれば注目してもらえるという、いわゆる試し行動の心理から来る行いだったわけですが。
いつか真にヒロの目に留まる日は来るのでしょうか。その辺りは謎だらけだったりします。
■商家の放蕩三男坊■
イリエの実家はオヴェリア群島連邦共和国にある商家であり、富裕層の出身。但し、その家系の三男として生を受けた彼は商売を継ぐつもりもなく、自由気ままに過ごしていました。
そんな折に“オヴェリアの英雄”の話を耳にして立場や強さに憧れ、いつか関わりたいという夢を持って出奔。海賊への道に足を踏み入れたという過去があります。
始まりは下っ端海賊から。だけれど、ハッタリを用いた商家由来の話術と満ち満ちた謎の自信を武器として頭目まで上り詰め、いつの間にか子分たちに慕われる存在になっていました。
今日も今日とて勘違いと早とちりをしつつ、子分たちのフォローを受けながら“イリエ衆”の悪行は続いていくのでありました。
■「我が船の“イナグ・シレナ”」■
オヴェリア群島連邦共和国では中型船以上の大きさの船に、所有者は恋人や伴侶の名を付ける風習があります。“イナグ”は女性を意味し、その後ろに恋人・伴侶である女性の名前を当てるという命名の仕方。
イリエの乗る三本マストのガレオン船、“イナグ・シレナ”の“シレナ”は固有の女性名ではなく、実は「人魚」を表す言葉だったりします。
風の噂で“オヴェリアの英雄”が人魚の化身(“海神の烙印”の話が紆余曲折して世に伝わっている)だと耳にしたことで、イリエは人魚の名を船に冠するに至ったとか。
人魚が恋人と言い張る命名をしてしまうあたり、イリエの崇敬ぶりはだいぶお察しな状況なもよう。
最初のコメントを投稿しよう!