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■“調停者”■
“呪いの烙印”を管理・監視する役割を“世界と物語を紡ぐ者”から与えられた役職、“調停者”がルシアの真の役割。
【片翼の鳥~出会いと別れの物語~】の第三幕で語られているように、本来であれば双子の“調停者”は“群島諸国大戦”の際、同盟軍の軍主が宿した“呪いの烙印”を管理・監視するために派遣されてきた。
だけれども、その戦争に予期せず“喰神の烙印”の宿主であるハルが参戦したことで、双子は各々が担当する“呪いの烙印”を振り分けるに至りました。
そして、ルシアが担当するのが、ヒロの宿す“海神の烙印”へ。
これは“呪いの烙印”の宿主の性格を考慮しての采配となり、ハルの性質とルシアの性質が合わないことへの配慮になったと綴られています。
■“大地の聖女”■
“世界と物語を紡ぐ者”が余りある膨大な魔力で生み出した“人形”――、自身のクローンでありホムンクルスのような存在がルシアとルシトの双子。
様々な属性魔法の扱いに長けた“世界と物語を紡ぐ者”から“大地属性”の魔力を濃く受け継いだのがルシアであり、それ故に彼女は“大地属性”魔法の扱いを特に得意としています。
“大地属性”魔法は守りの力の多さが特徴な属性であり(実際は攻撃系魔法も多くありますが)、ルシア自身の普段の淑やかな立ち振る舞いもあって『大地の聖女』という二つ名を持つに至りました。
実際は『聖女』と呼称されるには難のある性格をしているけれど、それは深く関わった者以外には知られざる性質であり、周りの敬愛を含んだ評価からそう呼ばれるに至った経緯があったりします。
■『“死”は人間にとって、真なる救い』■
【片翼の鳥~出会いと別れの物語~】【呪いの烙印シリーズ・短編集】で語られたルシアの一種独特な死生観。
『“死”は人間にとって、真なる救い。穢れた魂を清め、新たな“生”を受けるために必要なもの』
この言葉が表すように、ルシアは死を“神聖なもの”と見ています。
これは『差別的な行いの多い人間が穢れている』という考えであり、そのような人間たちにとって真なる救いは死であるという意味。
かつてハルを激怒させるに至った言葉は、ルシアにとって歪んだ意味での人間への愛情――なのかもしれません。
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