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願望が目の前に転がってきた
待ち合わせは、近場の駅近くのファミレスだった。
駅で待ち合わせした理華と涼香がファミレスに入ると、すでにイケメン2人組はいた。
4人席に目の前の2人席を空席にした状態で肩を並べて隣り合って座る姿はどこか妙で、女性の目を結構引いて色んな意味で目立っていてその状態がすでに美味しくて涼香は表情に出さないものの心の中は紙吹雪が舞っており、ここが楽園か、状態だった。
「……お待たせ」
理華はそんな異様な状態には全く目が入らない様子で、ひたすら知樹を睨み続けていた。
一方知樹も周りの好奇の目に気づいていないようで、睨んでくる理華の目を真っすぐ見返していた。
どこか決意の籠ったその瞳に、涼香は声には出さず「おや?」と首を傾げる。
隣に座っている健を見ると、彼は顔を伏せじっと机を眺めている。
改めて2人が並んで座っている姿を見て、今度は「おおお?」と涼香の胸が高鳴る。
なんというか
友だちというには
座る距離が、近い
まさか、いやでも
いやいやいやでもでも
まさか!!!
負のオーラを放ちながら鋭い目つきで座る理華の横で、涼香は爛々と目を輝かせながら喜々のオーラを発して座る。
正反対すぎる2人の様子も恐らく不気味で異様だったことだろう。
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