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惹かれる赤
僕は、真っ赤な口紅を引いたあなたに、恋をした。
その色は、映える紅でもなく、特別目を引く赤でもない。
ただ、健康的な血のように染まっている唇。それを強調させるような青白い肌に、漆黒の髪。
「何見てんのよ、ガキ」
口は荒々しいが、どこか楽しそうで、ガキまでも魅了していることに嬉しく思うように言う。
「私は、直子。あんた、名前は?」
僕が気まずそうに下をむくと、直子は笑う。
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