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恭ちゃんとの出逢いは7月の猛暑の頃だった。
圭にフラれてどん底にいた私を気遣ってくれた友達、沙織の紹介。
その日、沙織の彼氏も含めた4人でお洒落なアジアンテイストのお店で食事をした。
沙織の彼と恭ちゃんは大学の友人で、打ち解けた2人の様子からは仲の良さが伝わってきた。
第一印象は“爽やかで優しそうな人”。
サッパリとした短髪の黒髪に、クリッとした二重の目。
水色ストライプのシャツがさらに爽やかさを引き立たせていて、食後に杏仁フルーツを頼んでいたことが印象的だった。
私は、いつか圭じゃない男性と恋愛する日が来るのかななんてぼんやりと考えながら、それなりに楽しい時間を過ごした。
ううん、無理にでも楽しまなきゃって気持ちが勝っていたかもしれない。
帰り際、恭ちゃんから連絡先を聞かれ、友達なら当然だと思い交換した。
するとその日の晩にすぐにLINEが来たんだ。
[2人で食事でもどうかな?]って。
私はその意味を深く考えることもなく、[いいですよ]と返信した。
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