33人が本棚に入れています
本棚に追加
少しきゅんとしてしまった。ロボット相手に何考えてるの、と思ってしまうが、逆にかっこいい男の人にぎゅっとされて、きゅんとしない女子高生っているの? と、心の中では焦りすぎて仁にときめいてしまった言い訳を考えていた。てか、なんで仁はロボットなのにあんなに温かいの。仁に抱きとめられた時、温かくて安心感があった。ヒューマノイドってそんなものなのかもしれないけど、本当の人間のようだった。
「ありがと。」
「いえ。降りますよ」
「あ、うん」
また声が上擦ったかも……。後顔が若干赤くなってるのが自分でも分かってすごく恥ずかしい。私は仁に手を引かれながら電車を降りた。
「時計が買いたいのでしたね」
駅の前で確認される。仁は何故か携帯をいじっている。
「うん。どこかいいお店知ってるの?」
「ついてきてください」
携帯から目を離し、そう言って私の手をさりげなく取って歩き出す。私は駅前にあるショッピングモールで何か探そうと思っていたが、仁はどこかいいお店を知っているらしいのでそのまんまついて行くことに。仁は車道側はきちんと歩いてくれる。
さっきから仁がかっこよすぎて困ってしまう。ロボットにときめいてしまう私がおかしいのかなぁ、と思いつつも、ロボットだから割り切れるようにしよう、と思った。本気で恋をしていい相手ではない。
最初のコメントを投稿しよう!