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私は篠宮さんのお言葉に甘えてゆっくりと腕時計を見る。どれもおしゃれで、かっこいいデザインのものばかりだ。仁はなかなか篠宮さんに付いてお店の裏に行ってから戻ってこない。
私は腕時計ばかり見ているのも飽きたので、ほかの雑貨も色々見ていた。
しばらくして、仁が戻ってきた。
「買うものは決まりましたか? 」
「うん。買ってくるね! 」
私はプレゼントを渡した時の喜ぶ顔が早く見たくてうきうきした。レジに行くとにこにこした篠宮さんがいた。
「ふふ、気に入ったのは見つかったかい? 」
「はい! 」
「ラッピングは……おや? 」
「別々でラッピングお願いします」
そう言うと篠宮さんはちらりと仁の方を見てから、私に優しく微笑んで、分かったよ、と言った。篠宮さんには、私の考えていることがばれちゃったみたい。ちょっと恥ずかしかった。
ラッピングが終わり、私は篠宮さんから買ったものを受け取る。
「きっと喜んで貰えると思うよ」
「ありがとうございます」
篠宮さんがとっても優しくて、この店にまた来ようと思えた。
私と仁はそこを出てから、そのまんま帰る予定だったが、私が途中で見つけたソフトクリーム屋さんに行きたくなって仁を連れていった。
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