ヒューマノイド 仁

1/6
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ

ヒューマノイド 仁

 「お父さん!私、ヒューマノイドがほしい!」 研究室に入ってすぐに私はお父さんに駆け寄ってねだった。 「日菜、ヒューマノイドなどいいものではないぞ?どうしてそんなにほしいんだ。」 「だって友達が毎日自慢してくるんだもん。イケメンな執事ができたみたいだって。私もそんなロボットがほしいーー!だいたい、お父さんが開発したものでしょ?それをいいものではないって何?いいじゃん、買ってよぉ。」 これは最近続けているおねだりだ。理由はもう少しで私の誕生日だから。18歳の誕生日。あわよくば誕生日プレゼントにもらおうとか考えているこの頃。 「だめだ。所詮ロボットだろ。」 「えーお父さんのけち!もう私いいって言ってくれるまでお父さんと口きかないからね。」 「なっ・・・」 いっつも所詮ロボットだ、と言って買ってくれない。もう聞き飽きた。その"所詮ロボット"を開発したのはお父さんのくせに。ま、口きかない、という言葉は結構聞くことを知っている。お父さんは超が付くほどの親バカだから。前に一度、喧嘩をして口を聞かなかったことがあったが、お父さんにすぐに限界が来て喧嘩をした次の日には謝ってくれた。しばらくしたら、きっとヒューマノイドを買ってくれるはずだ、と思って私は研究室を出た。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!