ヒューマノイド 仁

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 「お父さん! 私、ヒューマノイドがほしい! 」 研究室に入ってすぐに私はお父さんに駆け寄ってねだった。 「日菜、ヒューマノイドなどいいものではないぞ?どうしてそんなにほしいんだ」 「だって友達が毎日自慢してくるんだもん。イケメンな執事ができたみたいだって。私もそんなロボットがほしいーー! だいたい、お父さんが開発したものでしょ?それをいいものではないって何?いいじゃん、買ってよぉ」 これは最近続けているおねだりだ。理由はもう少しで私の誕生日だから。18歳の誕生日。あわよくば誕生日プレゼントにもらおうとか考えているこの頃。 「だめだ。所詮ロボットだろ」 「えーお父さんのけち!もう私いいって言ってくれるまでお父さんと口きかないからね」 「なっ……」 いっつも所詮ロボットだ、と言って買ってくれない。もう聞き飽きた。その"所詮ロボット"を開発したのはお父さんのくせに。ま、口きかない、という言葉は結構聞くことを知っている。お父さんは超が付くほどの親バカだから。前に一度、喧嘩をして口を聞かなかったことがあったが、お父さんにすぐに限界が来て喧嘩をした次の日には謝ってくれた。しばらくしたら、きっとヒューマノイドを買ってくれるはずだ、と思って私は研究室を出た。
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