ヒューマノイド 仁

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 私はお父さんに仁と出かけてくる、とLINEしてから携帯を置いて自分の部屋に向かった。仁が帰ってくる前にバッチリ支度は整えてあったが、メイクが崩れてないか、服は変じゃないか最終チェックをしようと思ったからだ。  いつも結んでいる髪は下ろして、シンプルなトップスにジーンズで大人っぽい服にした。仁はかっこよくて大人っぽくて、実際20歳くらいに見えるから、私も少し背伸びしてみた。  部屋から出て、リビングに行くと、もう仁の支度は終わっていたらしい。私服の仁を見るのは初めてだった。仁はそもそも家ではずっとスーツだ。まさか私服を持っているとは知らなかった。 「スーツじゃないんだ」 「ええ。隆介さんに少し私服を持っているように言われたので」 「ふーん……」 お父さんナイス! 思わず心の中でガッツポーズする。今の仁はラフでめちゃくちゃかっこいい。もちろんいつものスーツ姿もかっこいいけど! 「では行きましょうか」 「うん!」 上機嫌になった私は返事の声が勝手にワントーン上がってしまった。
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