最後の夜に

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「ルイスはトートル君の姉さんのせいでこうなったってことで良いんだよね?」 否、組んでくれたかどうかは不明である。ルイスティが握っていた金色狐を手に取り、不気味なほど笑みを濃くするアルグレイ。 「音波は聞いちゃいけない。あと、君の姉さんをこの家から引っ張り出さなきゃいけない、だよね。トートル君?」 念を押し、トートルに確認を取る。 「あ、ああ……」 『ま、まだ居るんですか!? 本当に、お願いですから、さっさと帰って下さいです!』 一瞬の後、 静かに呟くアルグレイの声と、錯乱を深めるソラリィの声が奏でる声をトートルは静聴することしか出来ない。 銀色狸と扉を挟んで赤色猫が応対する。 『赤色猫の悲鳴(クレイキャット)!』 「銀色狸の身嗜み(タヌキコーデ)右脚(ライト)」 轟音と爆風。アルグレイが武器(クラウン)を使用した直後、猛烈な砂埃が舞い、トートルの視界を瞬時に奪う。 アルグレイの居た地面には大きなへこみが出来上がっており、そこに彼の姿はない。だが僅かにとらえた視界を頼りに上空を見上げた。 そこに右脚を黒影で被うアルグレイ。音波を物理的に回避した彼はすうっと息を吸い込むと、地上に居るトートルたちに聞こえるように腹から声を出した。
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