1章 -高校2年・春-

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 昇降口には人だかりができていた。 クラス分け表が掲示されているのだろう。 盛り上がるのいいのだが、少しが離れてほしい。 俺の状況を知っているからか、将生が見に行ってくれている。 仕事が早い。 イケメンは違うな。 「橘は行かなくてもいいのか?」 「あたしは昨日からなので、もう知ってますよ」 入学式があったことを忘れていた。 二年生以上には、ただの春休みでしかない。 「雄也、同じ三組だったぞ。今年もよろしくな」 「今年もよろしく。ってなんか堅いかな」 「いいんじゃない。言葉よりも心が大切だからな」 「修学旅行があるから将生と一緒で安心したよ」 「お前は、もう少し人間関係の幅を広げるといいんだけどな」 そう言われてもなあ。 「お土産待ってますね」 橘が満面の笑みで言った。 これは忘れていたとしても、思い出しそうだ。 本当にちゃっかりしているよな。 「とりあえず、教室に行こう」 耐えきれなくなって提案した。 一日分の気力を使ってしまった気がする。 途中で橘と別れて、新しい教室へと向かった。
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