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「さ、王子、お部屋にお戻りください」
このままだとアンセルムに押される一方だ。だから多少乱暴にでも部屋から追い出そうと腕を掴んで立たせようとした、その時。
「駄目だよ。ジンのここ、苦しいだろう?」
と、たちあがった箇所を厭らしい手つきで撫でられた。
「なっ」
久しくそこに触れていなかったせいか、余計に感じてしまう。
びくびくと感じて震える仁を、アンセルムは目を弓なりにして見つめている。
「私にまかせて。気持ちよくしてあげるから」
ズボンを脱がされて、仁の下半身の反り立つモノが露わになる。
「ジンの、いつも想像していたけれど、それよりおっきいねぇ」
それは嬉しそうに仁のモノを見ながら、アンセルムがペロリと唇を舐める。
「いつも想像って、この変態ッ」
「ふふ、言っておくけど、想像してたのはジンのここばかりじゃないよ。私の口で咥えて、涙を流しながら善がるジンとか……」
「ふ、ふざけるなぁぁぁ――!!」
耳をふさぎたくなるような言葉を遮るように、仁は怒鳴り声を上げる。
「おや、仁、口調がまた戻っているよ?」
「あっ」
しまったと口を押えた所で、アンセルムが頂きますと仁のモノを咥えようとしたその時、ドアをノックする音がし、外から声を掛けられる。
「アンセルム様、いらっしゃいますよね。そろそろお戻り願いたいのですが」
それとも強引に中に入らせて頂きましょうか、と、有無も言わせないとばかりのシオンの言葉だ。
「……私は別にかまわないけれど、ねぇ」
そう、困るのは下半身を丸出しにしている仁のだけだ。
「てめぇ、さっさと戻れ」
ぐいぐいとアンセルムを押しのけてドアを指させば、大袈裟にため息をついて解ったよとベッドから降りる。
「陸に降りたら覚悟しておいてね」
そう軽く口づけをしてドアへと向かい、今一度振りかえり。
「ジン、愛してる」
と言って部屋から出て行った。
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