王子は船乗りに恋をする

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「いてぇっ」 「すぐによくなるから頑張って」  熱いし、痛いし、きもちわるい。  嫌だと逃げ出そうとするが、強い力で抑え込まれてしまう。 「ジン、お願いだから」  切ない目で見つめられ、仁は目を大きく開く。  もしもここで逃げてしまったら、その目から涙がこぼれ落ちてしまいそうだ。 「アンセルム、キスしろ」  彼とのキスは気持ちが良いから。 「うん」  唇がふれ、深く口づけしあう。  アンセルムの舌が仁をとろけさせ、気が緩んだ途端に中のモノが奥まではいりこんだ。 「んぁ」  仁が力を入れていたから、スムーズに進まなかったのだろう。  さっきまで痛かったのに、今は全然平気だ。  唇が離れ、 「ジン、大丈夫?」  と今だ顔は近い距離だ。 「あぁ。アンセルム」  アンセルムは仁を雄雄しいといってくれたが、今の姿は優しい美形な男ではなく、雄の顔をしている。  こんな顔を見たことがない。胸の鼓動が激しく波打つ。 「嬉しいよ。繋がりあえた」  恍惚とした表情を浮かべ、仁の胸元を撫でる。 「く、あん、せるむ」 「私ので気持ち良くなってね。仁」  仁の中にあるモノが、さらに大きさを増して暴れだす。 「え、あ」  どうしてと驚いた所に激しく中を突かれ、一瞬、意識が飛んだ。 「くぁっ」 「あぁっ、きもちいぃ」  激しく打ちつけられ、頭の中がくらくらとする。  自分ができることは、アンセルムを受け入れることだけだ。 「アンセルム、もっと、こい」 「うん、うんっ!」  アンセルムにとって、仁の気持ちが嬉しいらしく、とても幸せそうに笑みを浮かべた。 「でも、そういうところも、好き、だよ」 「くっ、何を、言って、ふぅ、そろそろ」 「うん、このまま一緒にイこう」  ぎゅっと互いの手を握りしめ、昂った欲をはき出す。倦怠感と共に芯が痺れる。  アンセルムのモノが仁の中から抜け、寂しさと共にとろりと蜜が足を伝い落ちていく。 「はぁ、ベタベタする」 「ふふ。でも、幸せ」  放ったもので濡れていても、それは幸せの行為だからとアンセルムがいう。 「そうだな。よし、風呂に入るぞ」 「一緒にいいの?」 「はぁ? てめぇが出したモンの始末を俺がしろってぇのかよ」  ふざけるなと額にデコピンをくらわせると、痛いと手で押さえながらも顔はにやついていた。
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