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背を伸ばすのはやめてみよう
道行く空き地の姫女苑が涼しげに
白い花を揺らしているのに気づくだろう
ヒールの無いスニーカーは
ぎゅっと大地を踏みしめる
天高く上る太陽に自分の影が短くなっても
生きているのだと気づくだろう
桃をかじる
甘い香り
零れ落ちる果汁が顎と首筋を伝う時
苦い経験が甘く変わるのに気づくだろう
耳は蝉の息吹きを行く先々で
感じているのだ
耳は草の息吹きを行く先々で
捕えているのだ
流れ落ちる汗は生命の滴りだ
背を伸ばすのはやめて
素の高さで見てみよう
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