1.僕の、家へ

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1.僕の、家へ

「入って」 ドアを開けると、彼女はキョロキョロと周りを珍しそうに見回しながら家の中へ入ってきた。 「お邪魔します」 「どぞ、どぞ。今日、家族全員、用事があって留守なんだ。だから遠慮しなくていいから」 「…そうなんだ」 「うん」 少し緊張していたのか、僕の言葉にホッとした様子をみせる寧音。 そんな彼女に頷き、スリッパを出すとリビングに促す。 「座って、座って…とりあえず珈琲を入れてくるから。それまでテレビでも見てて」 テレビのスイッチを点けて珈琲を入れる為、キッチンに向かう。 珈琲を入れている間も僕の心臓はどっこんどっこんとせわしない。 その心臓を落ちつかせる為に深呼吸をひとつ。 パンッ!! 「………よし!!」 気合を入れる為に両頬を叩くと、珈琲とクッキーを入れた皿をおぼんに乗せてリビングに向かった。
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