古い家にはつきものなのさ

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ホントにあった話 それはちょっと以上前の話、そう世紀末何かが近付きつつあって、バブルが弾けたころのこと。 それよりも5年ほど前に、1年海外生活をして、日本に戻ってきたら、英語が喋れないんで、その1年間を恥ずかしくて、口外できなくなっていた。 何しろその頃まだ長期で海外へ行く人も少なかったし、 「えーっ1ヶ月もアメリカに留学してたの?もう英語ぺらぺらなんでしょ?」 なぁんて、言われちゃうような、時代があったんだよ。 確かにね。自分もそう思ってたよ。1年も居れば、話せるようになるって、うん、思ってたさ。バカだよね。 でもね。小学校の高学年からさ、不登校で、努力できない、やる気がでない、勉強の仕方もわからない、親も荒れる私をどうしていいかわからない、今考えたら、ある種、ネグレクトかな? 今から考えれば、親の無関心と、末っ子の過剰なエゴとも言える愛情をこれでもか、と見せられて、元々持ってた感受性の強さに感覚過敏やら、ストレスやらそんなもんがどんどん積み重なって、我慢の限界を、こえてしまった結果の不登校かな。 しかし、運かが良いとは決して、言えない、言いたくないが、一家の大黒柱の急死で、あっけなく私の運命の歯車が回り出した。 どうやって生活していこう? もしかして、50(歳)になっても恋のひとつも知らず、しんどいしんどいって、寝たり起きたりして、一生終わるの?と、愕然とした。 「それは嫌だ」と、 少しばかり残してくれたもので、自分は大学も行かない(高校中退だしな)、晴着もいらない、だから、海外へ行かせて!と1年かけて親を泣き落としした。 そして、大きな飛行機事故があった翌年についに初めて飛行機に乗ることになった。早く早く!なんで、自衛隊が動かない?いつ救助に行くんだ?!とあの時は一晩中テレビに釘付けだった。 こんなことをいうと傷つけてしまう人がいるだろう、不謹慎だと思う。が、その時の偽らざる気持ちなので、敢えて書かせて下さい。 その時の人生の岐路に立つときの気持ちー決心ー。その飛行機が落ちると分かっていても、乗るのだと強く思った。 「もし、何かあっても、キレイな白い骨になって戻ってきてよね!あんな(噂されてる)酷い状態の確認なんかできないからね!」 妹のはっきりした言葉に少なからずショックを受けた。 が、確かに家族として、あんな辛い思いはさせられないとも、思った。 「わかった!」と答えて、命を懸けていったはずだったけど、 蓋を開ければ、勉強する気概も意地も仕方もわからなけりゃ、1年居たっても英語ができるようになりませんっ 後の旅先バルセロナで知り合ったおじさんは、十年居るけど、勉強しなかったから、スペイン語上手く喋れないんだよね~って言ってたなあ。 そんな思いしていったのに、できるようになったのは、旅行会話と西洋文化の理解とびっくりするぐらいの度胸をつけて意気揚々と帰ってきたのって、どうなのよ? その後それじゃいけんと、もうちょっと英語なんとかしたくて、行ったのがロンドンだった。 ま、その結果、売られた喧嘩は買おうじゃないか!までの英語力(気概だけともいう)を身につけることにはなった。あ、英語?もう腐っちゃった。 行く直前にバイト先で仲良くなった先輩がロンドンなら遊びに行くよ!っていうから、じゃっそこでって、行き先を決めた。 そりゃあ、ロンドンではイロイロアッタヨ。ええ、ええ、ここまでが長過ぎる前振りです。 こんときは自分の貯めた少ないものを元手に、ロンドンの安いシェアハウスに住んでたんだが、ある日トイレからオレンジのコナとスプーン出て来た日にゃ、ちょっともめたな。 英語で貸すと借りるを間違って使ったトルコ人の兄ちゃん(こいつが犯人だった)住んでる同居人みんなから、金借りてた。貸した金返せよ♪の世界だったな。良いとこのお坊ちゃんだったから、返してもらえたけどね。 あと、シェアハウスの真ん前で階下の日本人が強盗にボコられたのも見た。 はっぱしてる奴もいたけど、私には理解できねい。 引きこもってたときに白昼夢みるぐらい、わけわかんないこともあったし、どんかん薬常用してたから、あの幕に包まれたような鈍い感覚は昔に戻るようでもあり、興味は持てなかった。 ここに今あげたのは、こんなこともあったよって、軽く書いてみただけです。 さて、ここからが、ちょっとだけ、 ほら、法螺?ホラー?本題? このシェアハウスにさ居たんだよ。自分には見えないものが。 同居人の一人は見えるらしく、子供がいるって、言ってた。 時々、ぞわざわすることもあって、その日は階段付近がなんかいるなぁって感じてた。そんなとき足を踏み外しちゃったもんだから、腹立って、いたずらするんじゃない! 穢れを祓うのには塩だ!とナメクジ(裏庭にはオレンジ色のたらこみたいな大きなナメクジがいたので、塩かけたことがあった)にかけるがごとく、食塩を階段に撒いたら、ざわざわ感(なんかいるっ!感)がすーっとなくなるの。 お祓いってものの効果を信じた瞬間かな。 また、ある時、同居人のアジア人の女の子達が友達呼んで、夜中までおしゃべりに花を咲かせてたらしい、しかし夜が更けるにつけて、話はどんどん怪しくなっていき、ついには怪談話になっていったらしい、そんなとき!家中の電気が消えてしまった!「ギャー」と女の子達はしばし震え上がった。 そんな中、同居人の子があることを思い出したんだって。 このシェアハウスでは、電気代をセーブするために、コイン式にしていたことを。コインが切れると電気は消えるの。 そう、そのとき、偶然?にもコインが切れたのだった。 後日、そんな話を遊びに来た友達にしたら、その友達の家にも出たの!と言い出した。 ロンドンの建物古いからなぁ。 あちこちにいるのね。 その子が言うには、真夜中トイレに行ったら、窓の外に男の人の顔が!あったんだって。そしてそこは3階。 うおー!思わず聞いちゃった! 「で、何人(なにじん)だった?」 何しろ、ここはロンドン、ヨーロッパなんだもん。気になるじゃんっ 彼女の返事は 「黒短髪のラテン系!」 まあ、私が3階のトイレの窓から見たものは、裏庭に散乱してた注射器だったんだけど。
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