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「おい、夕美、夕美ってば」
〈お前だけだ。俺が愛してるのは。彼が耳元でそっと囁く。耳たぶに僅かにかかる彼の息。私も同じ。彼以外私の愛する人は居ない。彼に触れているだけで泣きたくなる。こんなに幸せ過ぎて私は怖くなる。お前が欲しい。彼はそう言うと私を・・・〉
「いい加減にしろよ。バカ姉貴」
弟に頭をピシャリとやられて私は現実に戻った。
「ちょっと、何するの。バカ。今良い所だったのに。って健太、あんたいつからそこに居たの?」
「大分前だよ。飯の時間だから呼んで来いって。それより夕美、またお前、そんなつまんない本読んでるのかよ」
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