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酔典 第五章 エトヴィスとリピス、ミディスとティーリス
エトヴィスの破壊したものは時に求められ、修繕の神リピスにより元の姿にされた。それは時に完全で時に不完全であったが、いずれの場合も罪が蓄積された。その罪は確率的に自分に還ってくるものだったが、理不尽な巡り方は決してしないのだった。人同士の干渉を司るのは愛の神である。自己愛の神をミディス、他者愛の神をティーリスといった。より上位に居るのがミディスである。他者とは自己の一映に過ぎず、また他者愛とは自己愛の分け与えに過ぎないからだ。二人の神は均衡を保っていた。それを崩すのは罪のひとつとなる。
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