3.澤くんともっと心配事

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3.澤くんともっと心配事

今日はやけに静かだなぁ。 俺は呑気にそんな事を思いながら靴を履き替え、教室に向かった。教室へ続く廊下の端々で何故だか落ち込んだような顔をした女子とたくさんすれ違ったのだが、その原因は教室に着くと明らかになった。 「え、休み?藤倉が?」 「お前何も聞いてねぇの?朝から女子が大騒ぎだよ」 通りで朝からやたら静かな訳だ。いや、流石にあいつが居ないことに気付いてない訳じゃあなかったけれど、まさか学校自体を休んでいたとは。 休み。あいつが。珍しい…というか、初めてかも知れない。風邪かなんかかな。連絡、してみようか。 「っていうか、何で休みなの?」 「澤何も聞いてねぇのか?お前が知らないなら誰も分かんねぇよ」 「え、そうなの?」 どうやら誰も藤倉が休んでいる理由は知らないらしい。先生にも何の連絡も来てないって言ってたし、どうやら無断で休んでるようだ。何かあったのかな。 「だ、い、じょうぶ、か…と」 トトトッ、と軽くメッセージを打ってスマホをポケットにしまう。朝礼の中先生に見つからないように、そっと机の下でただ光る四角い画面を見つめていた。 おっかしいなぁ…。いつもなら秒で既読が付くのに。やっぱ具合悪くて寝てんのかなぁ。心配だから、帰りに見舞いでも行ってやろうかな。 その日、結局メッセージに既読が付くことは無くて、自分でも心配し過ぎかとは思いつつも一駅先の藤倉の家まで見舞いに行ってみた。しかし家には誰も居ないのかいくら待ってもインターフォンには何の応答も無く、俺は結局諦めて帰ったのだった。
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