03 マジェンタ王国の赤子は、殊更赤い。

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赤き因習に囚われたマジェンタ王国。 他国よりも、遺伝的に双子が多く生まれる呪いの原因は、 国旗のモチーフにもなっている『赤い月』が原因だと伝えられている。 多くの国民達が、生まれたばかりの……穢れのない状態で殺されているのだ。 嬰児達が、一体何の罪を犯したというのか? そして、忌み子に手をかける者達に、罪がないと何故言えるのだろうか? 僕は特別な存在だった。 多くの処分される赤ん坊と同じように生まれ、 一方で、体に流れる血潮に畏怖されていたのだから。 マジェンタ王国の赤子は、殊更赤い――。 これは、グレート・ブリテン大百科にも載っている有名な諺で、我が国を語る際に必ずと言って良い程、引用される。 僕はこの血により殺されかけ、この血により生かされたことになる。
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