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シャーロットは、狩人の様な眼差しを僕に向けたまま答える。
「……あなたの答えは完璧だったわ、全て正解。
でもね。だからこそ、本人とは想えないの。
あの人が真剣に答えてくれるはずがないもの。失礼するわ、アニリンさん」
「シャーロット! 待つんだ」
僕は、ドアに向き直った彼女の肩を強く掴んだ。
手汗が滲んでいるが、このまま行かせられないと、
僕の本能が告げた。
「それと、アニリンは僕なんて言わないわ。俺様系だものね」
先程の王族の顔ではなく、小悪魔の様な不敵な笑みを湛えた彼女。
狩人の碧眼だけは変わらなかった。
背後に控えるライヴァールも、きっと表情を崩していないことだろう。
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