04 シャーロットは問いかける

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「シュジンコ・アニリン・マジェンタ、私の質問に答えて」 室内に緊張が走る。 有無を言わせぬ、王者の風格を彼女は身に纏っていた。 「私の誕生日はいつかしら?」 「2月28日だ」 「私の好きな食べ物は何かしら?」 「牡蠣(オイスター)、それとムール貝」 「プロポーズの言葉を覚えてるかしら?」 「Vorrei la tua mano(ヴォレイ ラ トゥア マーノ)」 「……下さった花束は?」 「薔薇だ。君に良く似合った」 「薔薇の色は?」 「……赤」 「薔薇の本数は?」 「シャーロット妃、その辺にされたらいかがですか? ロマンティックをお求めの処、申し訳ないが、本数など、我々が花屋に適当に頼んでいるのです。 この質問に最早、意味などありますまい」 微笑みを(たた)えたまま、業を煮やして、ライヴァールが割って入る。 だが、今やアニリンとなったが片手で制す。 「それでシャーロット、僕の答えに間違いはあったのかい? 本数は108本。そうだろう?」 「えぇ。確かに108本よ。数えてはいないけど」 そうだろう。 薔薇には本数ごとに、花言葉があるのだから。 108本は、結婚して下さいを意味する。 プロポーズならば、一択。簡単な答えだ。
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