1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
オレの名前は藤谷。普通の高校生だ。
朝から不機嫌に教室の入口近くで女子に囲まれてるソイツを睨む。
ソイツの名前は宮坂。今日も軽やかなトークで場を盛り上げる。
宮坂は女子人気が高く、常に擬似ハーレムを築いてる。が、性格は良く人当たりもいい。それに加え、品行方正、文武両道。同性の友人も多い。だから僻まれることは度々あっても恨まれることはない。オレを除いては。
こちとらモテたくともモテないのに……と朝からしかめ面をしてると、前の席に座る奴が一人。
「よっ!どした、宮坂に恋しちゃったか?」
「寝言は寝て言え、浜地」
浜地。前の席に座る男子。やたらとオレに話しかける。アイツに恋だと?馬鹿馬鹿しい。
「寝てませーん。起きてまーす」
「煽ってると見ていいな?歯を食いしばれ」
「きゃっ、暴力はんたーい!」
「きゃっ、じゃねぇよ。きゃっ、じゃ。ったく……」
「……今日も僻みが止まりませんなあ」
「そりゃあんなに女子に囲まれてりゃな。……羨ましくもなる」
「まあなぁ。ま、アイツだから仕方ないよな」
「……アイツがこの教室に来なくなったら、オレがモテたりするかな?」
「その怖い発想今すぐポイしなさい」
最初のコメントを投稿しよう!