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予鈴が鳴り、宮坂にまとわりついてた女子たちが離れていく。……はぁ。
「嫉妬?」
「ぶっ飛ばすぞ」
嫉妬なんかじゃない。純粋な僻みだ。オレも女の子にモテたいだけだからな。……言ったら敬遠されるだろうから言わないだけで。これでもオレにも女の子の友達はいる。少数だが。
「日直、号令ー」
担任が来て、覇気のない声で催促する。今日の日直はオレと……、
「起立、礼」
……ああ宮坂か。今日は最悪な日になりそうだ。
「それでさー、そんとき花ってば」
「わー!言わないでよ!」
日直の日誌を宮坂に頼んだはいいが……女の子の黄色い悲鳴が鳴りやまない。……羨ましい。
「あ、あの藤谷さん」
「寿、どうした?」
寿。数少ないオレと仲のいい女の子だ。なにかとオレに話しかけてくれるから、その気があるのでは?などと言う妄想が止まらない。
「てっ、手伝おうか?日直」
「ん、じゃあお願いするわ」
「……えへへ」
なにこの子、可愛い。学校じゃなかったら撫でてた。
「…………」
「藤谷さん……宮坂くんのこと、気になるの?」
「うぇっ?いや、そんなことはない!単にアイツが、だな……」
言えない。寿に。女の子にモテモテだから僻んでるなんて言えない。
「……アイツが気にくわないだけだ。惚れてるとかそーいう誤った感情はないからな」
「そ、そうなの。……良かった」
「良かった?」
「~~!あっ、次移動教室だから、先行くね!」
パタパタと駆け出していく寿。……あれ、これ脈アリじゃね?
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