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しばらく部屋を覗いたり懐中電灯で照らしたりしてみたけど、何にも起こらないし、見えないし。
亮一「…はぁ。…なんかつまんねぇなぁー…。」
啓一「…もう大体見たし帰ろっか?」
僕の手を握る蒼の力が抜けた。
ホッとしてるみたい。
蒼 「…じゃあ、戻ろ……!…う"っ…!」
蒼の手にまた力が入った。
空 「……蒼…?…どうしたの……?」
蒼の顔に凄い汗が………。
蒼 「……ぅ…ぅ…ぅ…しろ……!」
ん?
後ろ……?
僕は、振り向こうとしたら…
啓一「…なんか……聞こえない?」
亮一「……なんだ…?」
後ろに何かの気配と聞こえる……?
啓一「…なんか……荒い息使い……。」
亮一「…「はぁはぁ」…言ってるよなぁ…?…え?…気持ち悪りぃ…!」
…………?
僕には……
蒼 「喰われる!!逃げるぞ――――!!!」
その言葉に、啓一くんも亮一くんも一斉に走り出す。
蒼 「空ー!!もっと早く走れ――!!」
いや、だから………。
僕は、後ろを振り向いてみて解ってた。
でも、皆怖がってたから何も言わなかったけど…………。
野良犬だよ。
お腹空いてるのか「ハァハァ」言ってただけだよ。
人が来たからビックリしてただけだよ。
良くあるよね。
空き家を出て帰り道。
啓一「あれ、絶対変質者だって!」
亮一「ちげぇーよ!絶対呪縛霊だ!」
蒼 「…宇宙から地球を支配しに来た未確認生物だよ……!…いや……もしかしたら宇宙から来た幽霊……!?」
……沢山の憶測が飛び交ってますが。
事実を知ってる僕は、何も言えません。
……だって、こんなに盛り上がった後に事実を話して皆がヒンヤリと冷めきってしまうのが僕には………。
つまらないからぁ~♪
このまま謎のままの方が僕は、楽しいし。
良いよね?
完
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