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ルカは自分から、二階堂の体にしがみつく。
厚い胸板から、かすかな体臭を感じる。わずかに角度を変えて、8の字を描くように前後左右に揺さぶる。肉襞が捏ねられる度に、ジュブジュブと水音がするのが恥ずかしい。
「グショグショになるほど感じてる」
「いわない、で……」
「ここ、気持ちいいんだろ?」
「あっ、ンンッ!」
体内を占めるそこだけが首を振るようにフルフル動くのは反則だと思う。そのうえ、ルカのものだって手のひらで転がしてくるのだから。
「なんだか、激しくしてしまいそうで、怖いな」
二階堂が小さく笑うだけで、繋がったところを通して、振動がルカへも伝わってくる。二人が一つになっている醍醐味だと思う。ルカは大きく息を吐き出して、男の肩甲骨を撫でた。
「ルカ。上になって」
「え」
突然、足を下ろされ、背中ごと引きよせられる。二人座ったまま向かい合う形に変えられる。二階堂を跨いで乗り上げる格好がどうにも子どもっぽい気がして、反射的にルカは顔をそらす。
「本当にかわいい」
いい子、いい子と頭を撫でられ、ルカは小さく口を尖らせた。
「子ども扱いされてる気がする」
「まさか。子ども相手に、こんなことはしない」
二階堂の両手が、ルカの脇をつかむ。そのまま胸を撫でる。感触を愉しむように手のひらを這わせ、ぷっくりと膨らんだ乳首を摘む。
「あンッ……」
ルカの声に呼応するように、内側に収まる二階堂もまた膨れていく。膝立ちになって腰を浮かせ、逃れようとすると、さらにきつく摘みあげられた。
「いたぁいぃ、やぁ、んん」
指先で捻られた両方の突起に、鈍い疼痛が走る。そこに心臓でもあるかのように、ジンジンと甘く痺れる。
「痛い? だったら、ちゃんと腰を落として」
「え、あ、んぅ」
先端を引っ張られる痛みに気を取られ、ルカは一気に腰を沈めた。
「ひゃあっ、はぁん!」
熟れた肉筒が勢いよく貫かれ、衝撃で頭が真っ白になる。中の雄蕊が脈打っているのを感じる。
二階堂のこれが好きだ。こうして深いところで繋がっていられるのが好きだ。
「自分で動いて。いいところに当たるように」
「え、や、そんな、」
「恥ずかしいところ、見せて」
顔が熱い。二階堂とは何度となく抱き合っていても、自分から求める時は言いようのない羞恥を覚える。
覚悟を決めたように動こうとしない二階堂を見て、ルカはゆっくりと息を吐いた。深くうつむいたまま、肩に手をかけて少しずつ重心をずらす。
膝で踏ん張って、そろそろと腰を浮かせる。肉茎が擦れながら抜けていく、なんとも言えない感触に陶然となる。抜け落ちる寸前で、再び腰を落とす。ゆるゆると上下に動くことを繰り返していくうちに、すぐに息があがってしまう。
「はぁ、はぁ、あぅ、んんッ」
「ああ、いやらしい。そんなに乱れて、エッチで、かわいい」
「やあっ、だって、アァン」
切なく疼いて仕方ないそこを、懸命に擦りあげることしか考えられない。前後左右、めちゃくちゃに腰を使って、自らの内側を掻きまわす。蜜液の溢れるそこが攪拌されると、気が遠くなるほど気持ちいい。
奥を突いて、凹凸を抉って、媚肉を捏ねまわす。頭が真っ白になる。全身の細胞が淫らな欲望に浸される。
「イイんだろ?」
「あっ、イイッ。中がぁ……ともゆきさんが、こんなに、した、からぁ」
「そうだよ。アタシがしたんだ。こんなにも、いやらしいことが大好きな体に、してあげた。だから、ルカの全部は、アタシのもの」
もう、とっくに中毒なのだと思う。
二階堂に抱かれたくて、様子がおかしくなってしまう、不治の病。
「かわいい、かわいい、アタシだけのΩ」
「あっ、あっ、あ、ダメぇ。でちゃう、アッ!」
二階堂の手でやわやわと屹立を扱かれる。高まっていく射精感を抑えられない。ルカは呆気なく達していた。
体の内側が、中心に向かって引き絞られるように痙攣する。二階堂を根元まで呑みこんだ下腹が震える。よだれの垂れている半開きの口を塞がれる。
「うっ……んッ」
二つの体が間歇的に震えていた。後孔がこれ以上ないくらい収縮している。二階堂のそれもドクドクと放っているのを感じる。
二人が同じ頂点に達したことが嬉しくて、ルカは音を立てて、二階堂の口を啜った。
満たして、満たされる。
身の裡に、幸福感と絶頂感が漲るのを感じて、ルカはうっとりと目を閉じた。
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